ドクターインタビュー

初診の患者さんにカウンセリングを行う理由

当院には、歯周病専門医による治療を求めて来院される方が、非常に多くいらっしゃいます。生活習慣病である歯周病の治療には、患者さんと歯科医院が「二人三脚」で取り組む必要があります。患者さんの日々の生活(歯みがきや食生活など)をご自身の意志で見直していくことが、歯周病の治癒への最大の近道だからです。

60分のカウンセリングは、患者さんと歯科医師が、安心と信頼の上に協力関係を築き、今後の治療を共に計画していくためのミーティングのようなものです。

カウンセリングの内容

診察や検査の所見をお話させていただいた後、患者さんが大切にしていることやライフスタイルを聴かせていただきたいと思います。仕事・家族構成・食習慣などの生活背景から、今まで歯科医にかかって嫌だったこと、今後の治療や費用に対する希望や不安など、教えていただけることはすべてお聴きします。患者さんにとって、無理なく楽しく取り組めるフルオーダーの治療計画を立てるためです。

「生まれたばかりの孫が成人するまでは、一緒に食卓を囲める丈夫な歯でいたい」「1本でも、2本でもいいから自分の歯を残したい」。カウンセリングの中で患者さんが語られる目標こそが、治療のゴールとなります。カウンセリング後、治療を進めるか否かも、患者さんに決めていただくんです。

「傾聴カウンセラー」として

当院の歯科医師は、公認傾聴カウンセラーの資格を取得しています。「心に寄り添う」という当院の大切な考え方と合致した在り方です。お話を聴かせていただくことにより患者さんがどう在りたいのか、その景色を一緒に見せていただきます。

以前も診察の一環としてカウンセリングは行っていましたが、一般的な対話では、患者さんご自身の意志を見るまでに至らないことがありました。傾聴の概念を身につけてからは、歯科医師としての価値観を後ろに置き、患者さんが大切にしていることを聴かせていただき、真の意味で患者さんに寄り添うという理想に近づけたような気がします。その証拠に、当院は治療途中でドロップアウトされる患者さんが非常に少ないんです。「歯医者に行くのが、一回も嫌じゃなかった」という感想もいただきます。

患者さんと歯科医院の「二人三脚」で実現する理想

治療を終え、定期メインテナンスに継続して通われている患者さんのほとんどが、カウンセリングを受けた方です。また、患者さんが「歯医者に通うのが楽しい」と口々におっしゃるのは、当院の優秀な歯科衛生士による「歯みがき指導」も大きいと思います。

患者さん一人ひとりの骨格、頬の厚さや筋肉量、口腔内の広さに適した道具を用いて、カウンセリングで知り得た患者さんの日常に、無理なく実践できる歯みがき指導を行います。

患者さんと一緒にみがき方を見つけて実践すると、日に日に歯ぐきが変わってくるんです。打てば響くその様子に、患者さんたちは更に前向きになります。また、歯みがきによって歯ぐきが健康に引き締まると、治療中の痛みも軽減するのです。これが我々の目指す「二人三脚」の成果です。

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